ドレスを選ぶだけではなく、お客様が 「鏡に映る自分を愛せるように」なるために
ドレスコーディネーターとして働く中で、「結婚式を挙げたくない」というお客様が来店されたことがありました。ご新郎様は挙式に前向きだったのに対して、ご新婦様はさまざまな事情からあまり乗り気ではなく、ドレス選びも「なんでもいい」とおっしゃっていたんです。 私はご新婦様になんとか結婚式の素晴らしさや、ドレスを着る喜びを伝えたいと思い、様々なお話を重ねました。好きなお洋服の系統、プライベートのお話、式を挙げたくない理由……そうしてお話ししているうちに親しくなり、ある時ご新婦様がドレスを試着した時、自然と「かわいい」という言葉がこぼれたんです。最後にはご新婦様は結婚式にとても前向きになり、式の後には「佐藤さんに担当していただけたおかげで、結婚式が楽しみになりました」というお手紙までいただきました。 ドレスコーディネーターはただドレスを選ぶだけではなく、人の心をポジティブにする、「鏡に映る自分を愛せるように」できる仕事なんだと再確認した出来事でした。あらゆるお客様が輝くような提案をすることが、私たちの役目だと思っています。